矯正治療中のトラブル~知覚過敏について
2021年07月30日
こんにちは。吉田です☺
アイスや、冷たい飲み物を飲んだ際に、歯がキーンとしみたことはありませんか?
虫歯にはなっておらず、歯は健康な状態なのに、歯がしみることを『知覚過敏(ちかくかびん)』といいます。歯みがき粉のCMなんかで、聞いたことがあるかもしれません。
冷たいものだけでなく、甘味や酸味の強いものも刺激になります。
知覚過敏になるのには、いくつか原因がありますが、特に、矯正治療中は知覚過敏が起こりやすくなります。
~なぜ知覚過敏が起こるのか~
知覚過敏は、正式には「象牙質知覚過敏症」といいます。
歯の表面は硬いエナメル質でおおわれており、その内側にやわらかい象牙質があるのですが、歯の根元にはエナメル質がなく象牙質が露出しています。象牙質の表面には、歯の神経に通じる無数の穴があいていて、外部からの刺激が伝わりやすくなっています。つまり、歯茎が下がったり、エナメル質がすり減ったりして、象牙質が露出すると、痛みを感じやすくなるのです。
~なぜ矯正治療で知覚過敏になるのか~
矯正治療で歯を動かすことにより、一時的に歯と歯ぐきの間にすき間ができます。そのすき間から、象牙質に刺激が起こります。ただし、矯正治療が終了すると、すき間は徐々になくなっていき、それによって痛みも軽減されていくことがほとんどです。また、矯正装置の周りに磨き残しがあると、歯の表面のエナメル質が溶けて刺激を感じやすくなったり、逆に歯みがきを頑張りすぎてつい力が入りすぎると、歯ぐきが下がってしまい、痛みを感じやすくなります。
ただし、知覚過敏だと思っていても、実はむし歯だったということもありますので、痛みを感じる場合は、歯科医師にご相談ください。
~予防・改善するには~
*知覚過敏の方に効果的な歯みがき剤
歯みがきの際に、知覚過敏に効く歯みがき剤(露出した象牙質の穴をふさいだり、痛みを感じにくくする成分が配合された歯みがき剤)を使用すると、痛みが軽減されます。
当院では、知覚過敏を防ぐのに効果的な、『システマセンティブ』という歯みがき剤を販売しています。この歯みがき剤は、知覚過敏の症状に特化し、飲食時やブラッシング時の痛みを防ぎます。知覚過敏と併発の多い歯周病やむし歯も予防できるので、おすすめです。
*歯みがきの仕方、ブラッシング方法
知覚過敏の最も大きな原因が、歯みがきをする力が強すぎることだと言われています。
毎回、力を入れてブラッシングすることにより、徐々にエナメル質が傷ついて、削られてしまいます。また、歯ぐきも傷つき、下がってしまいます。歯の汚れは、そんなに力を入れて磨かなくても落とせます。
患者様に合った歯みがき剤や、歯ブラシのかたさ、ブラッシングの仕方などもご案内させていただきますので、お気軽にスタッフまでご相談ください。それでも知覚過敏の症状が続く場合は、知覚過敏用の薬を塗布したり、歯の表面にコーティング剤を塗布することもあります。
知覚過敏の原因には、ここでご紹介したものだけでなく、かみ合せによるものなど、様々な原因がありますので、原因を突き止めてしっかり対策をとることが大切です。
矯正治療中に歯がしみるのが気になったら、歯科医師またはスタッフまでご相談ください。